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雪の女王より私はこっちが好きです。
一家に一台ほしい。
まじで。
子供の頃に見た、とても古いアニメ。
優しい優しいロボットと少年の話。
ふと思い出して、あいつにもそんな存在がそばにいてくれたらと思った。
「自画自賛になるけど、このふわふわ感は最高だ・・・」
一面真っ白になりながら、俺は目の前の柔らかな物質に抱きついて感触を満喫した。
「マスター、辛いことがあるのですか?」
「辛くはないぞー。でももうちょっと堪能させてくれ。ストライク」
「落ち込んだときは、抱きしめると効果があります」
もふん、と真っ白な長い腕が俺を抱きしめ、ぽんぽんと、背中を叩かれる。
しかもいい感じにあったかい。
布団にくるまってるような気持ちよさだ。
「成功だー。ありがとうストライクー」
そう、俺は家を出る前に、俺がいない家を心配して、ストライクを改良したのだ。
前はモビルスーツを2頭身にした姿だったが、今回は全長2メートル程の真っ白でふわふわがコンセプトの人型にした。
さらふわを追及して選んだ強化ポリエステルの体。一見ひ弱に見える外見だが、いざというときのために、人間6人を簡単に運べるパワーをつけている。
知っている人は知っている、とあるアニメ映画のケアロボットそのままのできに、俺は満足していた。
急ピッチだったから医療データは確保してないが、救命データは入っている。
それで家族の助けになればいいと思っている。
「ストライク、うちを頼むな」
あいつを頼むな。
俺の代わりに守って、助けてくれ。
兄を失ってしまった弟を癒した、あのロボットのように。
お前の存在があいつの心を晴らしてくれたら嬉しい。
「マスター、心が痛いのですか?」
「大丈夫だ。大丈夫だよ」
「私では、癒すことはできませんか?」
「俺はいいんだ」
俺以外の人が幸せならそれでいい。
俺の周りが幸せなら、それほど幸せなことはない。
救いを求めてすがり付かれた手を振り払った俺には、そんな資格ないから。
「私がご家族を守れたら、マスターは幸せになれますか?」
「ああ」
「ご家族のことは、お任せください。だから」
「どうか泣かないで」と言って、ストライクは俺の顔を拭った。
END
誰か量産してください。ホントに。