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生存報告と拍手返信兼、夢SS置き場。 SSは本編に絡んでいるようで絡んでない感じのもの。 案外ジャンル問わずなんでもありになってたりします。 増える増えないは気分次第です(笑)
2024/05月

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イヴァン誕生日おめでとう!!

クリスマスイブイブ。そして日本国民が祝うべき方のお誕生日ですね。


今年もあと一週間かと思うと、なんだか早かったような、とうとうのような・・・変な感じです。

みんな時間の流れが速くなったとかいうけど、実は私は逆に伸びた気がしなくもないような・・・

学生時代をいかに無意味に過ごしていたのかがよくわかるわ(笑)


少し早いですが、皆様よいお年を!
















今年もクソな季節になった。

「ファック・・・・・・何枚あんだっつの!」

10㎝はあるメッセージカードの束に、思わず顔をしかめた。

このクソ寒い時期には、クリスマスというクソなイベントと、バレンタインというカスなイベントが立て続けに起こる。
その度に毎度毎度、手書きで!俺様が一枚一枚書かされる訳だ。
カンヅメで!アホのようにペンとカードと睨めっこだ!


ファック!ファック!!ファァァァァァッッック!!!!!


脳内でこれを渡されるジジイ共を血祭りに上げながら、ペンを取った。

こんなもんはさっさと終わらせるに限る。
クソ。暇人のジャンの字がもうちっとマシならこんなこと熨斗付けてやるっつーのによ。


 
「イヴァーン・・・・」

10枚目を書いたところで、足元が不安定なような声が扉からして、俺は扉をねめつけた。

こっちを覗いているのは、怪力だけが取り柄の馬鹿女だった。
それこそこの忌々しい仕事を任せたら見事に台無しにする第一候補だ。

こいつがくる前はジュリオがその位置にいたがな。
あいつ不器用すぎんだよ。

なんだと目線だけで応えれば、「あのな・・」と、力なく問い掛けてきた。

「みんな、クリスマス準備で忙しいだろ?だから差し入れでもしようかって思ったから。
 ・・・・イヴァンはなんかリクエスト、あるか?」
「はぁ?」

ああ、そういやこいつ、料理だけは得意だった。
未だに謎だが。

味は、まあ、嫌いではない。
薄味が気になるが食えないわけではない。
こいつのメシならまぁ、食ってもいいと思えるしな。

少し間をおいて、じゃあなんか頼むかと決めた。
食いもんならカード作りの合間、片手間に食えるもんがいい。
食いながらでも作業ができるもんと考えて、思いつくもんは1つだった。

「じゃあ、ホットドッグでいい」
「そんなんでいいのか?」

「もっと別のモンも作れるぞ?」と聞き直すチヅルに、黙って頷く。
チヅルは「わかった」と頷いて、そのまま静かに扉を閉めて去って行った。

 
それからチヅルが再び顔を出したのは、52枚目のカードに嫌々手を伸ばすところだった。

「イヴァン、差し入れだぞー」

バスケットを片手に顔をのぞかせたそいつを一瞥して、こっちに持ってくるように目線で指示をする。

静かに置かれたのはマスタードだけかけられたホットドッグとコーラだった。

・・・なんか、俺の知ってるホットドッグと違うような・・・・

まあ、胃に入れば何でもいいだろう。
そう思ってカードの束を少しよけてホットドッグを手に取った。

噛みついて、かなり違うことに気が付いた。

トマトケチャップにオニオンとピクルスの細切れを混ぜたソースがバンズとソーセージの間に塗りたくられている。
これがまた、絶妙な味加減だ。
俺としてはもっと大味でもいいが、これはこれで、まあ・・・・・・・いいんじゃねえか?

無言でかぶりつく俺を眺めて、チヅルは「どうだ?」と聞いていくる。
「おー」と、答えにならねえ答えを返すと、チヅルはニヤっと笑った。

「コーヒーいるか?」と聞いてきたので、無言で頷くと、扉の外へといったん出てカップを持ってきた。


あっという間にホットドッグは食べ終わった。

なんというか・・・・・食べたりない。

普通の、一人前の量だったんだが、薄味だったせいか、腹が物足りないと感じていた。

「おい」
「ん?」
「もっと作って持って来い」
「・・・・わかった」

きょとんと瞬いて不思議そうにしつつも、チヅルは従順に頷いた。
俺は横柄に、出ていくそいつに眼を向けずに、カードの作成に再びとりかかった。


 
チヅルがバスケットいっぱいにホットドッグを作って持ってきたのは、69枚目の途中だった。
 



****




 
「で、そっからイヴァンちゃんはチヅルの作ったホットドッグを燃料にカード製造機になってるってワケ」
「おう・・・」


チヅル
の困った顔での報告に、ジャンはハマっちゃったかとしみじみ頷いた。

こちらの差し入れはマフィンとキッシュだったが、それもうまかった。
最終的に最後の一個を取り合いになる程度には。

なんせチヅルの作る料理は美味い。
ジャンもそれなりに作れるが、チヅルが来てからキッチンに立つことはほとんどなくなってしまった。

「作んのはいいんだけどさ・・・今じゃ、カード1コ書く度に1コ減ってるペースでさ・・・ちょっと・・・」
「あー、ああ・・」

真剣にイヴァンの体を心配しているチヅルだが、ジャンにとっては笑い話だ。
腹さえ壊さなけりゃいいんじゃね?ってもんである。

「ま、ブタちゃんにならないように気を付けといて」
「・・・わかった」


「おい!!ホットドック!!!」
「お、おう!」

扉の向こうからの声に、チヅルは慌ててキッチンへ向かっていった。
急がせるその声は知っているものよりもやけに野太く、息も詰まっているようで。

「・・・・・・・・・・遅かったカナー?」

ジャンは独り言ちて、苦笑いし、聞かなかったことにしよ、と忘れることにした。
 




 

END






チヅルの手料理食いたい。
どんだけうまいんだろう・・・

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