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生存報告と拍手返信兼、夢SS置き場。 SSは本編に絡んでいるようで絡んでない感じのもの。 案外ジャンル問わずなんでもありになってたりします。 増える増えないは気分次第です(笑)
2024/11月

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メリークリスマス!!!

と言うことで、また酷い小話です。

種夢です。


久しぶりの更新がこれってどうなんだろう。
楽しんでしただけたら幸いです。





「冬だ!」
「クリスマスだ!」
「クリスマスと言えばー!」
「コスプレだ!!!」

「なんでそうなる」

けたたましいキラとカガリの息のあいっぷりに引きつつ、その発言にもドン引いた俺は、口元を引きつらせて突っ込んだ。

というか、なんかデジャブるんだが。
去年と似たような状態になるんだろうかと心底うんざりしていると、まったく違う環境で育った双子は同じような、――背筋の寒くなる笑顔を浮かべた。

「残念ながら今回は全員参加はできないんだ」
「アスランとラクスはプラントでどうしても欠席できないパーティがあるんだって」
「シンとルナマリアは軍の勤務だ」
「メイリンもね。レイは今年は議長と過ごすみたいだよ」

二人の声が全然残念そうじゃない。

ますますニヤニヤと笑顔を浮かべて寄ってくる二人に、逃げ出した方が賢明であると、誰かが警告をする。
その声に従って、俺は唯一の出口へ向かって駆け出した。

「あ!!」
「逃げるなセラ!!」
「逃げるに決まってんだろうが!!」

扉を開けて、急いですり抜け、例え少しの時間しか稼げなくても扉を閉めて妨害し玄関へ向かって駆け抜ける。


――――――――ガッ!!!

「――――――っっ!??」



横から何かが足元にぶつかって、俺は盛大に素っ転んだ。

玄関のたたきに向かって前転し、ドアまでぶつかる。

なんなんだ!?あいつらの差し金か!??


そう思って見上げた先には・・・・


「ガ・・・・ガ・・・・」
「ストライク!?」

お茶を盛大にひっかぶってショートしかけているストライクが、廊下に転がっていた。


「ふふふ。よくやったよストライク」
「ナイスタイミングだな。さすがセラが作るだけあって空気を読む」


悪魔二人がドアの隙間からこちらを捕らえる。
「かわいそうに・・・」とストライクを抱え、こちらを見下ろすその様子は、ただの悪人にしか見えない。

「このままじゃ回路がダメになっちゃうねえ」
「ストライクは水に弱いもんなー」
「特に頭の部分は大事なAIが入ってるからあっぶないねー」

こいつらああああっ
ストライクを人質にしやがってえええっ

だが、無関係のストライクをこのままにしていいはずはない。
背中の扉さえ開ければ悪夢から逃れることはできるが、犠牲を払ってまでしたくはなかった。

こいつらの・・・・こいつらの気さえ治まればいいんだろうが!!


完全にやけくそだった。



「・・・・・・・・・・・要求はなんだ」
「人を誘拐犯みたいに言わないでよ」
「そうだぞ。こっちは純粋な、サンタを信じる子供と同じ気持ちでいるんだからな」

曇りのない眼で見つめてくる悪魔は、心外だと首を傾げて見つめ合い、相槌する。

「去年はみんなでコスプレだったでしょ?」
「セラはトナカイだったな」
「なら今年はサンタの格好が見たいじゃない?」
「そう思うのがあたりまえだろう?」

思わない。まったく思わない。
理屈に合わない。
道理を無視している。
首を振りたいが、ストライクがキラの腕の中では逆らえない。

「セラにぜひとも来てほしい衣装があるんだ」
「僕たち二人で選んだんだよ?絶対似合うって」


そして出されたのは・・・・・・・・間違いなくサンタの格好ではあった。
------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------女の子用の。



「っ・・・・・できるかーーーーーーーー!!!」



真っ赤な生地に、正面の中央にはまっ白いボタンのボンボン。
襟と袖と裾には真っ白なファー。
一瞥すればやけに裾が長いサンタコスのシャツだが、絶対違う。
腰の部分がくびれ、その先から裾がひらひらと広がっているのはそれがワンピースだからだ。
しかもミニの!!腿の半分も隠れなさそうな!!!

「お前ら死ね。マジで死ね。公然わいせつ罪で掴まって一生出てくるな」
「酷いよセラ」
「まったくだ。それに一生はどうやっても無理だぞ精々半年だ!」
「真面目に返すな変態共!!」

普通のサンタコスならまだいいようなもののっ!似合う訳ねーだろうが大体!!
なんでこいつらはこういう人の神経をすり減らすことを平気でさせたがるんだ!

「そんなこと言ってていいの・・・?」
「こっちには人質がいることを忘れるなよ」

フフフ、クククと悪魔が嗤う。
こいつら最低だな。

だが、ストライクを見逃すこともできない。
こんな時自分のメカへの情熱が嫌になる。

「・・・・条件を出させろ」
「聞こう」

まだ被害は少なくて済む。
そう言い聞かせて俺は自分が有利になる為に頭をフル回転させた。

「まずはストライクをこっちに寄越せ」

この要求は案外あっさり通った。
俺がもう拒否をしないとわかっているからだろう。
ストライクの状態を確認すると、既に停止していた。
強制停止になったというよりは、キラが電源を落としたのだろう。
ごめんなストライク。修理はもう少しだけ待っててくれ。

二人を見上げ、俺は口を開いた。

「写真、映像は不可だ。もし他の人間に見せた場合、お前らのさらに恥ずかしい写真を公共にばら撒く」
「残念だけど・・構わないよ」
「ラクスには絶対頼むといわれていたけど・・諦めてもらうしかないな」

やっぱラクスさんもグルか。
だがこれだけでは保険にはならない。
さらに俺は要求を告げる。

「もう一つは、お前らも同じものを着ろ」
「な、」
「・・・!?」

二人の顔が硬直するのがわかった。
キラは差し置き、カガリさんは女性らしい恰好をするのが苦手だ。
ならば、俺と同じ思いをしてもらうのはしかるべきだ。

「なんだ?自分が嫌なことを人にさせる気だったんだ。それくらいの対価は当然だろう」
「・・・っく」

カガリさんの顔が苦くなる。
だがキラは、悟りを開いた眼差しで頷いた。

「いいよ・・・・」
「キラ?!」
「セラのミニスカサンタが見れるなら!僕はどうなろうと構わない!!」

見上げた変態である。
一気にキラの好感度が底辺を突き抜けた。
好感度って奈落の底以上に深いんだな。



最後の一つは、俺のカメラで写真を撮ることだった。
精神的な人質だ。
これにより証拠写真が半永久的に残ることになるが、あいつらの手元にあるくらいなら自分の所に残っている方がましだった。



そして俺たちはサンタコスに着替えた。
(ストライクはその前に修理した)
俺は全てを敵に回す顔で二人を睨み、カガリは自分の姿に若干心が折れており、キラは俺を見つめて滂沱の涙を流した。

「うっううっ・・・ああ。この瞬間だけでご飯一俵はいける・・・・」
「食ってみろ。できるものなら」
「・・・なんで堂々と立ってられんだお前ら・・・」

しゃがみこんで裾をめいいっぱい延ばして足を隠そうとしているカガリは、俺とキラを見上げて首を傾げた。
キラはまったく気にしていないのは正直怖いが、俺は羞恥を浮かべた後のこいつらの発狂を予想してわざと堂々と振る舞った。
恥はさらなる恥と騒ぎを呼ぶだけだ。

「後は証拠写真だな。全員並べ」
「セラが真ん中だよ!抱きついていい?」
「やめろ」
「あ!私の足は入らないようにしろよ!?」
「一蓮托生。死なばもろともだ」
「後で見るのはいい!?」
「・・・・・・なんでノリノリなんだお前」

何とか構図を決めて、シャッターを切った。



カシャ

パシャ



「・・・・・・・・え」
「え?」


なんで、2回シャッター音がするんだ?
嫌な予感に、ドアを見た。
一体いつからそこにいたのか、母さんがカメラを持っていた。

「アルバムのいい記念になるわ♪お父さんにも見せなきゃ」

「かああああああああさああああああああああんんっっっっ!!!!!!!!!」



この家には伏兵しかいない。

母さんへの説得に年末の台所掃除を代償に請け負った俺は(この家の中で最も面倒な掃除場所だ)、襲う頭痛と目眩に、いっそ本当に風邪だったらと思った。




end




ママは最強である。

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